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みんなの「星」ブログ


月が墜つる夜

2017/05/17 13:21
今日もまた月が墜ちていく。

同時に多くの命が星となる。

夜空に燃えている月。

そこに暮らしていた人々。

更に月が地球に落下すれば、地上にいる人々が巻き込まれる事もある。

そんな事はお構いなしにと月が月を墜とす。

─────

長い年月をかけて地球の衛星軌道上に無数の月が生まれてきた。

何故、そんなにも無数の月が生まれたのか。

元々は人類が地球外に生活の場を求めて人工の月を造り始めた。

本物の月に人類が住める環境を作るよりも、人工の月を造って、その中に人類が住める環境を作る方が容易だったのである。

そして、その技術が発展した結果、人工知能をもったロボットを打ち上げるだけで、そのロボットが自身を月へと造りあげていく様になった。

人類はそのロボットに必要な材料を提供すればいい。

ロボット月は人類から材料の提供を受ける事の引き換えとして、自分の中に人類が生活可能な環境を与えた。

元々は人類の道具でしかなかったロボット。

知能を与えた事で人格の様なものが形成される様になり、今やそのロボットとの契約をしなければならなくなった。

ただし人類が契約を守りさえすれば、ロボットが契約を破る事は無い。

ロボットを打ち上げて材料の提供を続けさえすれば、次々とロボット月が造られていく。

その様にして、これまで無数の月が生まれてきたのである。

─────

今日、墜ちていった月は何という名なのだろうか。

専門家には分かるのかもしれないが、素人には分からない。

一つだけある本物の月。

『ONE』と名付けられた月だけは素人にも見分けがつく。

地表の凹凸が模様として見えるからである。

そういえば、その模様を"ウサギが餅つきをしている"なんて例えもあった。

一方、ロボット月の外観は似たり寄ったりだ。

いや、どれもこれも外観で見分ける事は不可能。

専門家は月の位置から固体を特定する事になる。

何故なら、ロボット月の地表は太陽光パネルで埋め尽くされているだけなのだ。

根本となっている技術が同じなので、当然にそうなってしまう。

そして、その似たり寄ったりのロボット月達が、いつの頃からか、争う様になった。

それも殴り合いをする。

その殴り合いに敗れた月が地球に墜とされるのだ。

また殴り合いに勝った方の月に住む者達にも大勢の被害者が出てしまう。

そして此処数日は毎日の様に月が墜ちている。

争いに敗れて地上に落ちた月に住む者達は一人残らず死んでしまうだろう。

それに加えて、地上で巻き込まれる被害者と勝った月の方の被害者。

此処数日で一体、どれ程の命が星となったのか。

ロボット月達はお構いなしである。

かつて地上では人類が他の生命にはお構いなしに戦争を繰り返した。

その人類が生み出したロボット月達によって、今度は人類が蔑ろにされる様になってしまったのである。

因果応報。

その様子を『ONE』が眺めている。

そして今夜もまた月が墜ちた。

果たして『ONE』は何を思うのか。

地球に人類が誕生するよりずっと以前から、地球を眺めてきた『ONE』。

今日の様に月が墜つる夜。

地表の模様がウサギではなく、嘲笑に見えなくもない。
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5th Dimensional Man

2017/02/04 00:22
"あれ!?"

"あそこにいるのは僕じゃないのか!?"

"でも、僕は此処にいる"

"じゃあ、あそこにいるのは!?"

"やっぱり、僕だよなぁ"

"あの顔"

"あの声"

"あの傷"

"顔と声は似ているだけだったとしても、あの傷は僕だけのもの"

"あ〜あ、何をやっているんだよ"

"そうじゃないよ"

"見ちゃいられないね"

"あ〜あ"

"結局、そうなるんだね"

"嗚呼、そうか"

"ああやって僕は居場所を失っていったんだ"

"僕はずっとずっと居場所を探していた"

"でも、いつまでも見つからない"

"いつも世界から、こぼれ落ちてしまう"

"こぼれ落ちた僕は、いつも一人ぼっち"

"この世界の何処にも居場所は無かった"

"そんな僕を今、此処で僕は見ている"

"此処は一体、何処?"

"此処にいる僕には肉体が無い"

"肉体は目線の先にある"

"あっちが所謂『この世』なのかもしれない"

"じゃあ、此処は『あの世』!?"

"だとしたら『この世』で認識されている『あの世』とは全然、違う"

"『この世』で認識されている『あの世』とは所謂、死後の世界"

"でも、僕が死んでいるなんて、とても思えない"

"目に映る景色、耳に届く音"

"何よりも、こうして思考している"

"それでも僕はすでに死んでいるの?"

"目の前にいる僕は過去の僕?"

"いや、待てよ"

"此処が現在だとは限らないよな"

"あっちが現在で此処は・・・"

"未来!?"

"という事は未来が『あの世』なの!?"

"それとも『あの世』は死後の世界で、此処はまた『別の世』!?"

"『別の世』だとすると、また別の可能性もあるな"

"一つが未来"

"他にも『パラレルワールド』というものがある"

"勿論、それも『この世』で認識されている『パラレルワールド』にはなる"

"その『パラレルワールド』とは・・・"

"一つの世界に対して並行に存在する別の世界"

"そうなると、それは正に『別の世』"

"目の前に見えている僕は僕であって僕でないもの"

"そして僕はまた別の僕にしか過ぎないのかもしれない"

"しかし、とてもそんな風には思えない"

"目の前の僕は僕と同一の僕にしか思えない"

"目の前の僕が過去の僕なのか現在の僕なのか未来の僕なのか"

"それは分からない"

"そして此処にいる僕が過去の僕なのか現在の僕なのか未来の僕なのか"

"それも分からない"

"ただ目の前にいる僕と此処にいる僕は同じ僕"

"何となくだけど、それだけは確信が出来るんだ"

"目の前の僕が感じている孤独"

"それは僕が今、感じている孤独と同じ"

"目の前には肉体のある僕"

"此処には思考だけの僕"

"二つの僕が孤独で繋がっている"

"地球という星の片隅で"

"二つの僕が彷徨っている"
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屍ー鳥葬ー

2016/03/22 21:03
おお。

おお!

集まって来たよ。
カラス達。

ほう、やっぱり。
そこからいきますか。

カラスも柔らかいところが好きなのかな!?

俺のハラワタはそんなに美味いのか!?

幾羽ものカラス達が俺の腹の中に嘴を突っ込んでくる。

そして俺の腹部にありつけないカラス達が俺の目玉を啄む。

あっという間に俺の二つの目玉はカラス達に食われてしまった。

続いて、カラス達はその眼窩から脳みそを啄んでいく。

俺の腹部に集まっているカラス達は俺のハラワタを食らうのに夢中だ。

そんな中で満足したカラスは、この場から飛び去っていく。

しかし、そこを埋める様に、次々と腹を空かしたカラス達が集まってくる。

本当にキリがない。

そして内蔵や脳みそなどの食べ易いところが無くなると、全身の肉をも啄む、カラス達。

すでに俺の大事なところも食べられてしまった。

死んでしまったから、大事もへったくれもないんだけど。

そして俺の肉体から、どんどんと肉が無くなって、少しずつ、少しずつ、骨が露になっていく。

このままいったら俺は、学校の理科室にあった骸骨の模型の様になるのだろうか。

空を見上げると、金星が出ていて、俺のみっともない姿を見て笑っている様だ。

所謂、明けの明星という奴である。

目玉を食われたのに金星が見えるというのも変だが、そもそも俺はすでに死んでいる。

視覚で見ている訳ではなく、俺の魂が見ているのだ。

そんな事を考えている間も、カラス達は俺の肉体を食らい続けている。

まあ、俺はもう死んでしまった訳だから、対象がカラス達であっても、役に立てるのであれば、別に構いはしない。

どんどんと食べてくれ。

カラス達の腹を満たす事が出来るのであれば、それでいい。

勿論、全てのカラス達を満たす事は出来ないだろう。

満たす事が出来なかったカラス達には申し訳ないが、勘弁して貰う外はない。

少しずつ、少しずつ、カラス達がこの場を飛び去っていく。

もう俺の体に肉は殆どついていない。

数羽のカラス達だけが、僅かに残っている肉を骨から剥ぎ取って食らう。

そして、その僅かに残っていた肉も全てカラスに食われてしまった。

残っていた数羽のカラス達も、この場から飛び去っていく。

嗚呼。

俺は本当に骸骨の模型の様になってしまった。

金星がこんな俺の姿を見て、憐れんでいる様だ。

しかし仕方がない。

所詮は死なんて、こんなものなのだろう。

格好よく死のうとも、みっともなく死のうとも、死は死でしかない。

そして一つの死が多くの命を繋いでいく。

俺がそうであった様に、俺もまた、そうなっただけの事。

皆もまた、そうである様に、これから皆もそうなるはず。

俺の命なんて、そんな繋がりの一幕にしか過ぎない。
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遥かなる星に想いを馳せて

2015/10/12 16:37
今、あの夜空で瞬いている星。
あの星は今、この瞬間、すでに存在していないのかもしれない。

悠遠の距離と悠久の時間を超えて、僕の目に飛び込んで来る、あの星の光。
そして、この光が誕生した時、僕はまだ生命ですらなかった。

更に言えば、この世界に生まれてこれるかどうかすら、定かではなかったはずであろう。
本当に壮大なる、すれ違いなのかもしれない。

しかし悠遠の距離と悠久の時間が、その余りにも壮大なすれ違いを繋ぎ止めてくれているのではないかと思ったりもするのです。

恐らく僕は明日、命を落とす事になる。
物心ついた頃から戦乱の中に身を置いてきた僕は、ここまで生きてこれただけでも奇跡なのかもしれない。

しかし、さすがに明日は奇跡は期待出来ないだろう。
明日の戦いは僕達にとって絶望的に厳しい戦いが予想されるからである。

その僕が今、あの星と出会えた事。
それが僕にとっては最後の奇跡になるのかもしれません。

悠遠の距離と悠久の時間が、その奇跡を演出してくれたのです。
人生の最後にこの様な奇跡と出会えた事。
それがとても幸福な事に思えるのです。

仲間達は今、明日の戦いに備えての準備に追われている。
僕だけが、ちょっとサボらせて頂いて、此処まで抜けだして来ちゃったのです。
そういう意味で僕は裏切り者なのかもしれません。

しかし明日になれば、皆と運命を共にする事になるでしょう。
そして明日、僕達が全滅する事になったとしても、我々の戦いが終わる訳ではないのです。

いつの日にか、と我々に本当の「自由」と「平和」が訪れる事を、あの星に願う人が一人くらい居てもいいよね。
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